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高岡彫刻塗「二匹鯛」  タカオカ チョウコクヌリ「ニヒキダイ」 


高岡彫刻塗「二匹鯛」

納富介次郎(図案)、村上九郎作(彫刻)
最大径70.5cm × 高さ2.5cm
明治末〜大正期頃


 二匹の鯛が抱き合うような斬新にデザインされた手ぐり盆。
 裏面に至るまで彫が施され、生漆に松煙(松を燃やしてつくった煤)を入れた下地を擦り込んで刀痕を残しながら中塗り、朱の上塗りを行い、凹所に古味を入れて仕上げられている。
 「二匹鯛」は明治30年頃、納富介次郎(1844-1918)の図案、高岡彫刻塗の確立者・村上九郎作(1867-1919)の彫刻になるものが始まりである。
 納富は佐賀出身で、万博事務官として渡欧。明治期のデザインや産業の大指導者である。明治27年(1894)に開校した富山県工芸学校(現富山県立高岡工芸高校)の初代校長。石川県小松生まれで彫刻の名人の村上は、石川県金沢区工業学校(現石川県立工業高校)の助教諭をしていたが、納富の招きにより同校の教師となり、のち、校長となり、業界の指導育成に尽力するなどして高岡彫刻塗を確立した。
 高岡彫刻塗は、江戸中期に活躍した名工、辻丹甫の技法を元祖としており、工芸高校が新たなデザインの開発を生んだ。その後は、産業としても発展し、海外にも輸出するなど幅広い評価を得るものとなった。





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原本作成日:2002年7月1日;更新日:2015年3月28日