| ホーム | 収蔵資料検索 | ご利用案内 | 交通アクセス |

朱草花文菓子取(十枚組)  シュソウカモン カシトリ

朱草花文菓子取

ぬしや八兵衛作
直径19.0cm × 高さ1.5cm
元禄7年(1694)12月


 この10枚揃いの絵変わり銘々盆は、元禄年間に高岡にいた漆器の名工・ぬしや(塗師屋)八兵衛の作である。菊模様などの図柄は高尚優美、かつ卓越した技術がみられ、郷土高岡の誇る貴重な資料といえよう。
 共箱は現在失われているが、諸記録からその箱書きは「元禄七年十二月吉(「十一」?)日/朱小まる盆拾枚/高岡ぬしや八兵ヱ仕り候」とあったことがわかり、富山県内で作成された漆芸品のうち、年代と作者が判明し、しかも作品が現存しているものとしては、最も古い例と思われる。
 本作品は模様が写生風で簡潔であり、漆絵が非常に薄描きで描き割を行なっていること、また牡丹花には甘汞(かんこう。塩化第一水銀)を使っていることなど、城端蒔絵の特徴を具えている反面、銀を用いていることなど城端漆器とは断定できない点もみられる。

※参考文献
定塚武敏「高岡ぬしや八兵衛作「朱小まる盆」について」(高岡市美術館・博物館誌『高志の華』No.2、昭和46年8月1日、「美術館、博物館に親しむ会」発行、「高岡市美術館、高岡市立博物館」編集)







このホームページ内の内容、画像の二次利用は固くお断りします。

原本作成日:2002年7月1日;更新日:2015年3月28日