渾天儀 コンテンギ最大径54.5cm × 高さ61.0cm 江戸後期 銘「□工 高陵 中邨尚潤」(環に漆書、□は「髪」の字の「友」の部分を「休」にした字)、「高陵住 黒川成清造之」(龍の支柱に陰刻) 高岡市指定文化財 渾天儀とは本来は天体の位置を測定する器具であるが、江戸後期には太陽と月の動きを説明する器具として利用されていた。暦学を志す人には便利な器具で、この原理を発展させたものが、現在のプラネタリュームである。 富山市天文台のホームページによると、渾天儀は現在のところ全国に本資料を含めて42点が確認されており、県内では南砺市(旧城端町)教育委員会所蔵品と当館蔵品の僅か2点で、非常に貴重なものである。 中心に細かく描かれた地球儀を配し、細かな彫金がなされた支柱や天体の軌道や台座には漆が塗られており、本資料は南砺市教委蔵品に比べると、多分に装飾的、趣味的なものであるといえよう。また、彫金・漆工ともに高岡(高陵は高岡の雅名)の工人の手になるもので、高岡の工芸史上においても特筆すべき資料といえる。 加賀藩を代表する十村・川合家にゆかりの資料である。 このホームページ内の内容、画像の二次利用、直接のリンクは固くお断りします。 原本作成日:2002年7月1日;更新日:2015年3月28日 |