○高岡市立博物館の沿革
年 代 | 主 な 事 項 |
昭和26年(1951) |
高岡古城公園を会場に開かれた「高岡産業博覧会」の美術館パビリオン(設計・木村得三郎)が博覧会終了後、高岡市美術館と改称して開館(現在の当館常設展示場)。 |
44年(1969) |
高岡市市制施行80周年・開町360年記念事業として高岡市美術館に隣接して建設することを決定。
8月、建築設計(設計・大島久次)完了。
10月、建築工事(主体工事・日曹建設工業株式会社、附体工事・日曹エンジニアリング株式会社北陸支社)起工。 |
45年(1970) |
3月、建築工事竣工。高岡市立博物館条例公布。
5月、高岡市立博物館条例施行規則公布。
6月1日、開館。
初代館長・定塚武敏就任。開館記念特別展「郷土資料展」開催。
7月、開館記念特別展「ブランデージ・コレクション」開催(〜8月)。
8月、高岡市立博物館協議会委員委嘱(12名)。 |
46年(1971) |
2月、博物館法(昭和26年法律第285号)第10条の規定に基づく公立博物館として文部省及び富山県教育委員会に登録。
10月、淡交会(裏千家)高岡支部より茶室「松聲庵」が美術館に寄贈(現在は博物館が管理)。 |
59年(1984) |
4月、第2代館長・朝倉吉彦就任。 |
平成元年(1989) |
4月、高岡市市制100年記念「高岡重要文化財展」開催(〜5月)。
7月、富山県・遼寧省友好県省締結5周年記念「中国遼寧省文物展」開催。 |
2年(1990) |
9月、開館20周年記念特別展「前田利長展」開催。 |
6年(1994) |
4月、第3代館長・神保成伍就任。
美術館の移転分離により旧美術館棟も博物館棟(現本館・常設展示場)として財産登録。
高岡市立博物館条例の一部改正。
8月、高岡市立博物館整備検討委員会設置(以後平成10年1月まで6回審議)。 |
8年(1996) |
4月、財団法人高岡市民文化振興事業団(現・公益財団法人高岡市民文化振興事業団)へ管理運営を委託。 |
10年(1998) |
2月、高岡市立博物館整備検討委員会により『高岡市立博物館整備検討委員会報告書』が高岡市に提出される。
10月、本館において常設展「郷土の暮らしと文化」−高岡の歴史・産業−がスタート。 |
14年(2002) |
7月、ホームページを公開。 |
15年(2003) |
4月、第4代館長・油井政和就任。
|
18年(2006) |
4月、財団法人高岡市民文化振興事業団(現・公益財団法人高岡市民文化振興事業団)が指定管理者となる。
|
19年(2007)
| 4月、第5代館長・晒谷和子就任。
7月、常設展「高岡ものがたり」−楽しく知ろう!ひらめき・ミュージアム− リニューアル・オープン。
11月、高岡市立博物館整備構想検討委員会設置(以後平成21年7月まで9回審議)。 |
21年(2009)
| 1月、常設展「高岡ものがたり」入館者1万人達成。
11月、常設展「高岡ものがたり」入館者3万人達成。 |
22年(2010)
| 2月、高岡市立博物館整備構想検討委員会より報告書(資料1、資料2、資料3、資料4、資料5、資料6、資料7)が提出される。
10月、デジタル・アーカイブ推進事業(緊急雇用創出事業)を開始(〜平成25年3月)。 |
23年(2011)
| 10月、『二上射水神社文書目録』を編集(二上山総合調査研究会と共編、発行は同社文化財保存会)。 |
24年(2012)
| 4月、指定管理者の財団法人高岡市民文化振興事業団が公益財団法人)に移行。
10月、収蔵資料検索システム「あなたの家が博物館」の運用開始(現在は「文化遺産オンライン/文化遺産データベース)に移行)。
10月、古文書講座「初めての古文書教室」を開始。 |
25年(2013)
| 3月、高岡市立博物館に親しむ会設立。
4月、佐渡家資料調査事業開始(平成26年3月まで緊急雇用創出事業。同4月より1年間は高岡市委託事業)。
第1常設展示室に「お宝コーナー」開設。
6月、常設展に音声ガイド5台導入。 |
27年(2015)
| 3月、『佐渡家資料目録』を編集・発行。佐渡家資料調査事業を終了。 |
28年(2016)
| 4月、第6代館長・高田克宏就任(高岡市教育委員会事務局次長兼務)。 |
29年(2017)
| 4月、第7代館長・新井雅夫就任。
当館を含む市の文化施設9館が所属し、各施設の指定管理者である、公益財団法人高岡市民文化振興事業団の所管施設5館が高岡市の教育委員会から首長部局(市長政策部文化創造課)に移管される(現在は生活環境文化部文化国際課)。 |
30年(2018)
| 4月、第8代館長・廣瀬由美子就任。
10月、高岡テクノドームに博物館サテライトギャラリーを開設。 |
令和元年(2020)
| 8月、開館50周年記念 特別展「高岡のお宝展」を開催。
11月、博物館が所蔵(保管)する一括資料目録のネット公開を開始。 |
4年(2022)
| 7月、特別展「没後100年 高峰譲吉記念展」の開催と同時に、「高峰譲吉別荘「松楓殿」関係資料展示室」(常設展示)をオープンする(新館2階第3企画展示室)。 |
5年(2023)
| 11月、高岡築城を許可する「年未詳5月1日付徳川秀忠書状(前田利長宛)」を収蔵。 |
6年(2024)
| 1月、能登半島地震により、被災資料(文化財)レスキューを開始。
6月、国指定重要有形無形民俗文化財・ユネスコ世界無形文化遺産「高岡御車山祭」最古の絵画資料《紙本著色高岡御車山祭礼行列絵巻屏風》を収蔵。
11月、第9代館長・安東浩志就任〔(公財)高岡市民文化振興事業団事務局長兼総務課長兼務〕。 |
7年(2025)
| 4月、第10代館長・赤阪典子就任。 |
○高岡市立博物館の概要
当館は郷土・高岡における地方公立博物館として、「地域に密着した特色ある生活文化博物館」を目指して基本的性格を以下のように定めています(『高岡市立博物館整備検討委員会報告書』1998年 より)。
- ・商都高岡の生活文化に係わる特色ある博物館
- ・伝統産業・諸職の継承を指向する博物館
- ・市民の交流と自己学習の場としての博物館
- ・全市的博物館網における中核的博物館
当館では高岡の歴史、特に開町以来の歴史や民俗、伝統産業である銅器・漆器などに関する(1)調査・研究、(2)資料の収集・保存、(3)展示、(4)教育普及・サービス活動などの事業を実施し、多様化した市民の学習ニーズに応えるべく生涯学習機関としての充実振興に努めています。
(1)調査・研究活動
博物館の専門職員である学芸員による調査・研究活動は、全ての事業の基礎となるもので最も重要な業務です。学芸スタッフによる系統的な調査・研究の成果は、資料の収集保存・展示・教育普及活動に反映されて、博物館の情報バンクとして蓄積されます。
具体的な調査・研究活動としては次のことが挙げられます。
- ・高岡を中心に地域の歴史・民俗に関する通史的・文化史的・民俗学的な調査・研究の継続。
- ・高岡の伝統産業及び諸職に関する通史的・技術史的な調査・研究の継続。
- ・高岡の商家を中心に、その背景にある農漁村を含めた生活文化に関する民俗学的・歴史学的・経済学的な調査・研究の拡大。
- ・全市博物館網の整備に関する博物館学的な調査・研究。
(2)資料の収集・保存活動
博物館の収蔵資料はその館の「命」ともいうべきものです。当館では上記に示したような館の基本的性格に添って資料を収集しています。また、高岡市民の共有財産である大切な資料を永く保存していくために、日々の管理にも気を配ることも博物館の重要な仕事です。
具体的には次のような収集・保存活動を行っています。
- ・近世・近代から現代に至る郷土に関連した歴史・民俗・産業資料を重点的・系統的な収集・保存。
- ・特に商都高岡としての歴史的特性に関連した商業や生活資料を重点的に収集・保存し、さらにその背後にある農漁村の生活資料も併せて収集・保存する。
- ・高岡の工芸と産業のなかでも、永い伝統ある金属工芸産業と漆工芸産業を核に、その他の諸職や業種も含めて技術的発達史のうえで重要な製品・下図・製作用具類、また携わってきた人々の生活資料も収集・保存する。
- ・収集された資料のなかで特に貴重な資料については、科学的処理を施して劣化を防ぎ、さらにその展示用にレプリカを製作する。
【収蔵資料分類一覧表】
資 料 別 大 分 類 | 区 分 | 件 数 | 点 数 |
T 歴史資料 | 1,209件 14,041点 |
1.歴 史 資 料 | 1,209 | 14,041 |
U 民俗資料 | 1,167件 8,001点 | 1.衣 食 住 | 507 | 3,934 |
2.交通 運輸 通信 | 63 | 109 |
3.民俗芸能 娯楽 遊戯等 | 227 | 2,138 |
4.人 生 儀 礼 | 26 | 62 |
5.交 易 | 112 | 325 |
6.民 俗 知 識 | 155 | 897 |
7.年 中 行 事 | 28 | 446 |
8.社 会 生 活 | 33 | 60 |
9.信 仰 | 16 | 30 |
V 産業資料 | 481件 8,341点 | 生 産 生 業 資 料 | 481 | 8,341 |
W 美術資料 | 625件 1,321点 |
1.金 工 | 91 | 113 |
2.漆 芸 | 106 | 189 |
3.陶 芸 | 53 | 101 |
4.木 竹 石 工 | 4 | 28 |
5.染 織 | 5 | 5 |
6.日 本 画 | 167 | 323 |
7.洋 画 ・ 版 画 | 47 | 125 |
8.彫 刻 | 22 | 23 |
9. 書 | 130 | 414 |
総 計 | |
| 3,482件 | 31,704点 |
(令和6(2024)年3月末現在/一括資料は仮に100点して計上)
◎郷土高岡に係わる歴史・民俗・産業資料の情報を求めています!
古文書・絵図などの歴史資料や民俗資料(生活文化道具)・伝統産業資料は、郷土の歴史や社会の変遷を理解するうえでの貴重な文化遺産です。当館では、それらの貴重な資料を収集保存し調査研究・展示活動などに生かしたいと思っております。
情報がありましたら、どのようなことでも結構ですので、ぜひご提供をお願いいたします〔tel:0766-20-1572,電子メール:info@e-tmm.info(お手数ですが「@」を小文字に直してください)〕。
(3)展示
博物館はさまざまな活動をしていますが、展示活動は来館者が博物館活動に直接触れ、参加できる最も親しみのもてる活動ではないでしょうか。
展示活動は大きく分けて常設展と企画展(特別展)がありますが、いずれにおいても展示活動は博物館から直接のメッセージを来館者に対して発信できる非常に重要な活動です。具体的には以下のようなことを考慮しています。
≪常設展≫
常設展示はその館の基本的な性格を最も端的に表現できる展示で、いわばその館の「顔」ともいうべきものです。従って収蔵資料を中心に、大きく「歴史」と「伝統産業」、「民俗」という3つのテーマを設け、体系的に商工業の町・高岡を理解できるように心がけています。(詳しい内容はこちらを、常設展「高岡ものがたり」−楽しく知ろう!ひらめき・ミュージアム−)
≪企画展(特別展)≫
固定的な常設展に対し、企画展(特別展)は多様化する市民の知的欲求に基づき、いろいろなテーマに対応できるよう流動的に内容を拡げ、常に広い視点から明日への展望を考える機会を提供できるよう努めています。
上に示してきたような、当館の基本的性格に基づき、郷土・高岡の特性などを多角的に見つめられるような企画を考慮しています。
(4)教育普及・サービス活動
博物館における教育普及活動のおもな目的は、利用者が各資料を通して自己のより豊かな知識や教養を養う学習の手助けをすることです。自由に創造的な自己学習ができるように、博物館は適切な教育的サービスを行わなければなりません。近年、生涯学習の視点からもより一層のサービスが博物館に求められています。
以下に当館が行っている、具体的な活動を挙げます。
○講演・講習会、講座の開催
展示活動のより一層の理解に資するため、また郷土学習などの一環として専門講師や学芸員による講演会や講座(ワークショップ)を実施しています。
○展覧会図録・博物館だより・年報などの作成
展覧会のための研究成果を発表する展覧会図録をはじめ、館の広報誌「博物館だより」や、博物館の1年間の活動を報告する「年報」などを発行して広報活動に努めています。
○情報の提供(レファレンス)
来館者や研究者・学校などに当館が所蔵している資料や、図書などの情報を提供しています。また、その他の質問に対してお答えしています。
○収蔵資料・写真の貸し出し
他の博物館・美術館などの展覧会のために収蔵資料を貸し出しています。また、その展覧会図録や、他の出版物のための写真も貸し出しています。
○博物館実習の実施
学芸員資格取得のために必要な博物館実習を行なっています(ご希望の方はこちらへ)。
○図録などの販売
当館で過去に開催された展覧会図録をはじめ、博物館や高岡関連の出版物などを販売しています。また、図録に関しては通信販売も実施しています(ご希望の方はこちらから)。
○展示室・茶室の貸し出し
博物館の全企画展示室を芸術活動を行なう作家の個展、グループ展などのために貸し出しています。また茶室「松聲庵」も貸し出しています(詳しくはこちらを)。
<施設の概要>
所 在 地 | 富山県高岡市古城1番5号 |
敷地面積 | 1,298.6u |
建築面積 | 1,214.91u |
建築延面積 | 1,905.17u |
構 造 | 鉄筋コンクリート造3階建・ 鉄筋コンクリート造一部木造平屋建 |
開 館 | 昭和45年6月1日 |
【各部屋面積と館内略図】(クリックで拡大)

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原本作成日:2002年7月1日;更新日:2025年4月1日
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